アメリカのサブプライムローン問題に端を発した金融危機によって、急激な株安が生じた。株価の急騰・暴落が起きないように、金融政策によるコントロールが必要不可欠である。現在の中国では、資本取引と金利の自由化が、着実かつ慎重に進められている。株式市場の価格形成を明らかにし、株式市場に対する有効な金融政策を示すことが、中国の株式市場の発展だけではなく、世界経済全体の成長にもつながると考えられる。 中国の株価変動に関するデータベースを構築し、中国の株価に対する金融政策の影響について専門的に分析かつ体系的に扱う点に、本研究の大きな特徴がある。 21年度では、本研究の分析に必要なデータ(株価の関連データ、金融変数、実体経済変数)を収集し、データベースを構築し、基本的なデータ分析を行った。また、金融政策の株価に与える影響について、先行研究をサーベイした。さらに、中国の株式市場の発展と問題点、金融政策などを考察した。 さらに、21年度において、世界金融危機の中国株価に対する影響を明らかにするため、金融危機の発生地であるアメリカに出向き、資料収集を行い、現地の研究者と意見交換をした。また、リーマンショックが起こった直後に、中国の株価がどのように動いたのか、金融政策がどのように変更されたのか、中国に出向き、ヒアリング調査と資料収集を行った。
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