論文"Strategic Voting on Environmental Policy Making:The Case for Political Race to the Top""(寺井公子氏との共著)においては、既存文献とは異なり、背景の環境問題のタイプ次第では、非協力的な状況下でも環境保全努力のインセンティブを持つ政治家が選出され、環境問題の改善が政治的に可能であることを示した。また、既存文献が着目してこなかった非対称均衡が現れることも示し、環境問題のタイプに応じた対称・非対称均衡の存在を特徴化した。また、混合戦略の対称均衡が存在することも示した。この論文はThe 2011 Meeting of the European Public Choice Society (University of Rennes 1)、公共経済研究ワークショップ「公的部門の限界責任」(キャンパスプラザ京都5F第一講義室)で発表され、討論者からの高い評価と参加者からの有意義なコメントをいただいたのち、大幅な改訂を経て、査読付学術誌に投稿された。また、"A Voluntaly Participation Game through a Unit-by-Unit Cost ShareMechanism of a Non-Excludable Public Good"(篠原隆介氏との共著)が、大幅な改訂の後、査読付学術誌Social Choice and Welfareに受理された。また、上記篠原隆介氏との共著論文の参加・費用負担メカニズムの性能を実験によって吟味し、同じ設定の自発的供給メカニズムと比較して、公共財がよりパレート効率に近い水準で供給されることが分かった。実験研究は現在、学会報告等のために準備中である。
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