本年度は研究計画の1年目ということで、今後の研究活動を行う上で必須となる研究の基盤作りを行った。具体的には、研究課題を遂行する上で必要な2000年代後半の企業統治についてのデータベース購入並びにデータ整備作業を行った。データベース構築作業は、以下のような手順で進められた。第一に、本研究で主に使用する日本企業の取締役会構成に関するデータベースであるNikkei Needs Cgesを購入した。第二に、購入した取締役会構成に関するデータベースと企業の財務データベースであるNikkei Needs等と合併させる作業等が中心になった。企業統治関連のデータと企業財務データを合体させたパネルデータを構築することで、今後の分析のための基礎的なデータベースを構築することができた。 以上のようなデータベース構築作業に加えて、日本の企業統治メカニズムの変遷を捉える目的から、2000年代以前の日本の企業統治における取締役会の経営監視機能についての分析も行った。この分析に関しては、特に、1990年代の日本の取締役会の経営監視機能についての分析を中心とした学術論文にまとめることができた。同研究成果は、論文(「経営者報酬と取締役会の経営監視機能についての検証」)として、金融経済研究に公刊された。 このような研究活動に加えて、今後の研究計画を実行して、研究論文を執筆する際に必須な最新の研究成果の収集を行うために、国内学会・国際会議等に参加して、最新の研究成果を収集した。
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