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2010 年度 実績報告書

期待形成解明に向けて-ダイレクトアンケート調査による分析

研究課題

研究課題/領域番号 21730264
研究機関九州大学

研究代表者

木成 勇介  九州大学, 経済学研究院, 講師 (10509855)

キーワード期待形成 / アンケート調査 / 楽観的・悲観的期待 / 自信過剰
研究概要

本申請課題は現代経済学の根幹を成している「期待」が持つ特徴を明らかにすることを目的としている。この目的のもと平成22年度は、九州大学、大阪大学および神戸大学の学部学生を対象に日経平均株価に関する期待を問うアンケート調査を行い、期待の特徴に関する分析を行った。具体的には、明日、1週間後、1ヶ月後の期待を原則1週間毎に尋ねることでパネルデータを作成し、期待と実現値との乖離に関する分析を行った。
現在、経済学の各分野で幅広く適用されている合理的期待形成仮説では、期待と実現値との乖離は平均的にはランダムであることを予測する。しかし、全サンプルを用いた場合、乖離が平均的にゼロであるいう帰無仮説は棄却され、遠い将来に関する期待であるほど実現値からの乖離が大きくなる傾向を持つことを確認した。さらに、統計的検定に耐えうる程度にサンプルをアンケート調査時点によって分割した場合はその傾向は薄まること、また調査時点の株価動向と乖離とが密接に関係していることを確認した。具体的には、株価が上昇基調にある場合にはその上昇度合いを、下降基調にある場合にはその下降度合いを過少に予測するというものである。国内外の期待に関する先行研究では、合理的期待形成仮説を棄却する研究が多かったが、合理的期待からの乖離の方向(楽観的or悲観的)に関しては統一的な見解は得られていなかった。本研究の結果は、先行研究の結果に対して統一的な解釈を与えるという点で学術的に意義深いものである。また、予測の分散についても分析を行い、人々の予測には分散を過少に見積もる傾向がある、つまり自信過剰の傾向があることがわかった。この傾向は、遠い将来に関する期待であるほど強まることもわかった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Expectation Bias2010

    • 著者名/発表者名
      木成勇介
    • 学会等名
      Applied Economics Workshop
    • 発表場所
      九州大学(福岡県)
    • 年月日
      2010-05-12

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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