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2010 年度 実績報告書

日本における近代的銀行業の形成と国際的特色―アメリカ国法銀行との比較を中心に―

研究課題

研究課題/領域番号 21730273
研究機関横浜国立大学

研究代表者

邉 英治  横浜国立大学, 国際社会科学研究科, 准教授 (50432068)

キーワード経済史 / 金融史 / 銀行業 / 日米比較 / 国立銀行 / 国法銀行 / プルーデンス原理
研究概要

研究年度第2年目にあたる本年度は、一次史料の収集を継続するとともに、史資料・データの分析も大幅に進めた。史料収集については、19世紀後半~20世紀初頭のアメリカ国法銀行に関わる史料について、アメリカ議会図書館等での収集を継続した。さらに、日本の銀行業の近代化に影響したスコットランド銀行業に関わって、グラスゴー大学図書館・特別資料部門等での史料収集も新たに行った。一例をあげると、1857年に経営破綻したスコットランド第二位の有力銀行であるスコットランド西部銀行(Western Bank of Scotland)についての資料、How to mismanage a Bankや同銀行の定款(Deed of Accession to the Contract of Copartnership)などである。これらの作業によって、当時のアメリカ国法銀行及びスコットランド銀行業の特徴と問題点を具体的に明らかにしつつ、英米との比較によってEl本の近代的銀行業の形成における国際的特色を複眼的に検討する基盤整備を進めることができた。あわせて、国内では、東京大学経済学部図書館などで一次史料以外の資料収集・整備も行った。史資料・データの分析も本格的に進めた。検討の結果、これまで後進国的と考えられてきた「機関銀行」や産業金融(融通手形)中心といった日本の銀行業の特色が、アメリカではもちろん、先進国ビクトリア期イギリスの有力銀行でもみられたこと、スコットランドでは貸付の有担保原則がプルーデンス原理とみなされていたことなどを明らかにした。こうした歴史的事実は、従来想定されてきた日本の銀行業の国際的特色を再検討する必要性を実証的に示唆しており、きわめて重要である。
研究成果の一部については、下記項目11で記した論文及び研究会報告において公表している。次年度は、史料収集を完了させ、蓄積した史資料やデータ等に基づき、研究成果の公表に注力していきたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 日本的銀行経営の再検討-スコットランドHow to mismanage a Bankの分析を手がかりに-2010

    • 著者名/発表者名
      邉英治
    • 雑誌名

      エコノミア

      巻: 61(2) ページ: 39-66

  • [学会発表] スコットランドHow to mismanage a Bankの分析-日本の銀行ビジネスとの比較を念頭に-2011

    • 著者名/発表者名
      邉英治
    • 学会等名
      地方金融史研究会
    • 発表場所
      地方銀行会館
    • 年月日
      2011-01-21

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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