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2011 年度 実績報告書

日本における近代的銀行業の形成と国際的特色―アメリカ国法銀行との比較を中心に―

研究課題

研究課題/領域番号 21730273
研究機関横浜国立大学

研究代表者

邉 英治  横浜国立大学, 国際社会科学研究科, 准教授 (50432068)

キーワード経済史 / 金融史 / 銀行業 / 日米比較 / 国立銀行 / 国法銀行 / プルーデンス原理
研究概要

研究年度第3年目にあたる本年度は、計画した一次史料の収集を完了するとともに、収集し終えた史資料・データの分析に注力した。史料収集と関わっては、日本が近代的銀行業を導入した際、強い影響を与えたシャンドに関連して、19世紀後半におけるスコットランド銀行業の史資料について、イギリス・エジンバラのスコットランド国立図書館(National Library of Scotland)にて調査を行い、当時のスコットランド銀行業の特徴を日本に導入された近代的銀行業との関係という観点から分析を進めた。日本国内では、東京大学経済学部図書館などで分析を補完するような資料・文献収集も行った。
これらの作業によって、日本では、近代的銀行業の形成に際して、アメリカとスコットランド双方から強い影響を受けており、それが国際的特色へと帰結していったという歴史像が実証的に浮かびあがってきた。例えば、日本の銀行業では、割引手形ではなく、融通手形(手形貸付)が一般的であるが、これはアメリカ銀行業と類似している。また、日本では当座貸越の積極的活用が一般に広まったが、これはスコットランド銀行業と類似している。大口融資や重役関係貸付への警戒については、19世紀後半のアメリカとスコットランド双方の銀行業にみられたプルーデンス原理であった。
従来、日本の銀行業の国際的特色は概して後進的というネガティブなイメージであったが、本研究が提示した歴史的事実を踏まえると再検討の余地がある。すなわち、日本の銀行業はイングランドとは異なる特徴を有するものの、アメリカやスコットランドとは一定の親和性を有しつつ経済環境に適合しながら発展したのであり、むしろ先進的なイメージでとらえ直してもよいように考えられる。本研究の研究成果の一部については、下記項目13で記した論文及び学会報告において公表している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] A History of Prudential Supervision in Japan : Organization, Institutions and Function, 1873-19422011

    • 著者名/発表者名
      Eiji Hotori
    • 雑誌名

      Economia

      巻: 62(2) ページ: 29-41

  • [学会発表] The Origin of Prudential Supervision in Japanese Banking : 1857-19362011

    • 著者名/発表者名
      Eiji Hotori
    • 学会等名
      Japan Society of Monetary Economics
    • 発表場所
      Meiji University, Tokyo
    • 年月日
      2011-05-28

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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