平成21年度については、企業評価モデルの策定に向けて、不祥事を起こした地域企業の関係者にインタビュー・フィールド調査をパイロット・ケーススタディ的に実施した。インタビュー・フィールド調査の対象は、賞味期限改竄に関する不祥事のあった三重県企業の関係者、ヤミ米使用に関する不祥事のあった熊本県企業の関係者である。 また、不祥事を起こした当該地域企業を、地域でサポートしようとする動きがあったことに着目し、社会関係資本の視点からの影響に関する動向を把握するため、札幌市および熊本市において、地域企業をバックアップする地域関係者にインタビューを2件、行うことが出来た。 いずれも不祥事に関連する内容であるため、既にメディア等の記事として掲載されているような類の内容ではなく、当事者の視点で緊張感のある生の声で語られており、その生の声を収集できた点でも本研究の意義は大きい。 調査の結果、不祥事を起こした地域企業が信頼回復を果たすための要因としては、不祥事を起こす前の経営者の行動が非常に重要であり、社会とのつながりをどのようにして構築しているのかがポイントとなることなどが次年度へ向けての仮説となった。 次年度は本年度調査から得られた視点を元に、アンケート調査項目等に反映させ、企業評価モデルの策定を進めていく。 なお本研究のフレーム部分については日本広報学会が学会発表している。
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