平成23度は、すでに出版していた「コストマネジメント」(同文舘出版)に平成21年度から23年度までのまでの成果を加えてを大幅に書き直し、9月に『詳解コストマネジメント』(同文舘出版)を出版した。従来、コスト(原価)に関わる問題は原価計算や管理会計の文献と、インダストリアル・エンジニアリングの文献とに二極化していたが、今回出版したものは、両者を体系的に融合した文献であり、ほとんど例のないものである。ただし、時間的な制約から、この本に取り入れることのできな買った項目、説明が不十分なもある。この点については今後の改訂版で対応する予定である。 また、9月に開催された日本原価計算研究学会第37回全国大会(於:関西学院大学)において、「内外製の意志決定における原価概念の考察」(木村彰吾氏と共同)という論題で研究発表を行った。内容は、トヨタ自動車においては3種類の原価の概念が用いられており、内製を外製に切り替える場合と、外製を内製に切り替える場合では異なる原価概念を用いるという非対称性が存在していること、して、このような原価計算システムが、サプライヤーとの長期的な関係の維持に貢献していることを指摘したものである。この研究発表の内容は、平成24年度中に学会誌に論文として掲載されることが確定している。
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