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2009 年度 実績報告書

全社的リスクマネジメントの理論・実証に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21730300
研究機関神戸大学

研究代表者

山崎 尚志  神戸大学, 経営学研究科, 准教授 (30403223)

キーワード全社的リスクマネジメント(ERM) / 企業不動産戦略(CRE) / 株価パフォーマンス
研究概要

今年度は主に全社的リスクマネジメント(ERM)の理論・実証に関する研究の下地となる活動を行った。具体的には,文献収集による理論整理および実証分析と実施企業へのインタビューである。インタビューは,商社,小売業,私鉄,不動産,製造業等計8社に対して行った。インタビュー内容として,当社が行っているリスク管理体制や手法,特に不動産戦略に関する質問を行った。インタビューの成果は,来年度以降にERMのケーススタディとしてまとめていく予定である。
今年度の研究成果は,論文掲載3本,学会報告1本であった。学会報告「株価長期パフォーマンスの検定方法に関する分析」は,わが国株式市場において1~5年の長期的な株式パフォーマンスを測定する際,どのような手法を用いれば測定誤差を小さくできるかを検証した論文である。企業のERMの成果を測定する際,ファイナンスでは株価パフオーマンスを用いて測定するのが一般的であるが,リスクマネジメントという性質上その成果は長期的視点にならざるを得ず,本研究はそのための予備段階の研究として位置づけられる。
「保険制度の経済分析」は,リスクマネジメントにおける最も典型的な手法である保険に関して,その制度的特徴を経済学の視点から考察した論文となっている。
「The calendar structure of the Japanese Stock Market」は,わが国株式市場の季節構造を分析し,上半期(1-6月)の株式収益率が下半期(7-12月)の収益率を上回ることを示し,その原因分析を行った論文である。これもわが国株司式市場の特徴を調べた分析であり,最終的な成果であるERMと株価パフォーマンスとの関係について応用していく方針である。
「企業不動産マネジメントと株式市場」は,企業の不動産保有率が株価にどのような影響を及ぼすかに関して分析を行っている。実証結果として,不動産保有を高める戦略は企業全体のリスクを下げる方向に働くことが分かった。すなわち,不動産戦略は企業全体のリスクに影響を及ぼすことから,リスクマネジメント戦略の一環として応用することが可能となることが分かった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 企業不動産マネジメントと株式市場2010

    • 著者名/発表者名
      山崎尚志, 福島隆則, 前智彦
    • 雑誌名

      不動産証券化ジャーナル March-April 2010

      ページ: 1-8

  • [雑誌論文] 保険制度の経済分析2009

    • 著者名/発表者名
      山崎尚志
    • 雑誌名

      企業リスク管理の理論(シリーズ現代の財務経営第4巻)第4章

      ページ: 61-81

  • [雑誌論文] The calendar structure of the Japanese Stock Market2009

    • 著者名/発表者名
      榊原茂樹, 山崎尚志, 岡田克彦
    • 雑誌名

      神戸大学大学院経営学研究科ディスカッションペーパー 2009・31

      ページ: 1-15

  • [学会発表] 株価長期パフォーマンスの検定方法に関する分析2009

    • 著者名/発表者名
      山崎尚志, 山口聖
    • 学会等名
      日本ファイナンス学会第17回大会
    • 発表場所
      青山学院大学(東京都)
    • 年月日
      2009-05-10

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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