ビジネス組織におけるデータベイランスとオンラインプライバシー保護に関する研究について、以下のように研究活動を行った。 (1)データベイランスシステムに関する研究成果 これまで行ってきたデータベイランスシステムやそのアーキテクチャコントロールに関する研究をとりまとめ、その研究成果をより幅広く公表するための活動を行った。さらに、データベイランスシステムが広く社会に浸透することによって起こりうる現象を分析し、そのような環境下において必要される権利概念を提案している。 (2)情報プライバシー保護制度およびオンラインプライバシー保護に関する研究成果 共同研究者とともに、日本と韓国でのオンラインプライバシー保護に関する意識調査を実施し、その結果に対する考察をまとめた研究を国際会議において報告した。この研究では、日本と韓国でのオンラインプライバシー意識における類似点および相違点をその社会・文化的特徴・背景から考察している。 (3)関連する研究成果 上記の(1)および(2)に加えて、個人情報の発信手段として利用されるSNSの利用動向およびそこでの社会的規範を分析した研究報告を行った。さらには、日本と英国のSNS利用者に対するインタビュー調査を行い、SNSの利用に対する意識を分析した論文が国際学術雑誌に掲載された。また同様に、ソーシャルメディア上に発信・公開された個人情報から特定の個人を捜索しようとする行動を、モチベーション理論を用いて分析する共同研究を行い、国際学会で報告した。
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