本年度は、既存文献調査と企業訪問調査をおこなった。既存文献調査では、ニッチ戦略を鍵概念とし、内外の文献や論文を収集し、その内容を検討した。文献調査を踏まえ、「ニッチ戦略とは何か?」という研究ノートの執筆を進め、平成22年度内にほぼ完成させることができた。今後、同ノートに若干の補正を加え、平成23年度内に何れかの雑誌に投稿する計画である。そこでは、ニッチの本来の意味を踏まえた場合、これまでの経営学での隙間市場構築というニッチ戦略の捉え方に問題が認められとし、むしろ自社の独自資源とそれに適合した市場や事業領域の構築と捉えるべきであると指摘される。 他方、企業訪問調査については、当初計画に沿って、ヤクルトの工場ならびに営業所、またキューピーの製造工場を訪問し、製造ラインの分析や関係者へのヒアリングをおこなった。ヤクルトについては一定の情報収集が完了したことから、同社に関する論文の執筆を開始した。その他の会社については、十分な情報を入手できていないことから、今後は大学からの研究費などを活用し、企業訪問を継続していく予定である。
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