本研究は、組織社会化(組織適応)研究で重要性が指摘されている「個人の適応行動(プロアクティブ行動)」に焦点を当て、新卒採用者(新規学卒者)に対する調査を実施し、それら個人の適応行動が組織適応にいかなる影響を及ぼすのかを実証的に明らかにすることを目的としている。本研究は、平成21年度から23年度までの3年間の研究課題である。そのため、初年度として以下の事柄について研究活動を行った。 第1に、組織適応に影響を与える「個人の適応行動」について、国内外の雑誌に掲載されている関連のある論文(組織社会化研究・人的資源管理研究等)を収集、検討するとともに、Academy of Management (AOM)や日本経営学会などの国際・国内学会に積極的に参加し、最新の研究における文献検討を行った。 第2に、上記の文献研究と並行して、質問紙の作成を行い、2009年度入社の新卒従業員に対するアンケート調査を実施した。回収されたデータは、今後の学会発表や論文執筆に向けて統計解析が行われた。 第3に、文献研究で得られた成果を踏まえ、2010年度入社の新卒従業員に対するアンケート調査を実施するために、新たな質問紙作成作業を行った。 研究成果の一部は、AOMやICABR(Intemational Conference on Applied Business Research)などの国際学会や日本経営学会、経営行動科学学会、日本キャリア教育学会などの国内学会で発表された。そして、国内外の専門的な雑誌への論文投稿を行い、一部は採択され、掲載された。次年度以降、さらに学会発表や論文投稿という形で研究成果を発表していく予定である。
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