研究概要 |
本研究は、組織社会化(組織適応)研究で重要性が指摘されている「個人の適応行動(プロアクティブ行動)」に焦点を当て、新卒採用者(新規学卒者)に対する調査を実施し、それら個人の適応行動が組織適応にいかなる影響を及ぼすのかを実証的に明らかにすることを目的としている。本研究は、平成21年度から23年度までの3年間の研究課題である。そのため、3年目の研究活動として、以下の事柄を中心に行った。 第1に、組織適応に影響を与える「個人の適応行動」について、国内外の雑誌に掲載されている関連のある論文(組織社会化研究・人的資源管理研究・キャリア研究等)を収集、検討するとともに、Academy of ManagementやAcademy of International Businessなどの国際学会に積極的に参加し、最新の研究に関する文献検討を行った。 第2に、新卒採用者に対する質問紙の作成を行い、2011年度入社の新卒採用者に対する複数回のアンケート調査を実施した。回収されたデータは、今後の学会発表や論文執筆に向けて入力及び解析が行われた。 第3に、具体的な研究の発見事実として、新卒採用者の組織社会化に向けたプロアクティブ行動は、企業施策である組織社会化戦術によって高められ、さらにプロアクティブ行動の結果、組織適応が円滑に行われる可能性が示唆された。 第4に、その他の研究成果は、Association of Japanese Business Studiesや4th International HR Conferenceなどの国際学会及び、経営行動科学学会や日本応用心理学会などの国内学会で発表された。その一部は、幸いにも学会から優秀論文賞を受賞した(Best Paper Award, 4th International HR Conference;優秀大会発表賞,日本応用心理学会第78回大会)。
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