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2011 年度 実績報告書

業態ライフサイクル成長期における小売業態開発の実証研究

研究課題

研究課題/領域番号 21730338
研究機関北海道大学

研究代表者

坂川 裕司  北海道大学, 大学院・経済学研究科, 准教授 (40301965)

キーワード小売業 / 業態 / フォーマット / 業態開発 / チェーンストア / サプライチェーン / BM市場
研究概要

前年度までの研究計画の進捗状況を踏まえ,個別企業の事例研究を行った。前年度の分析結果を踏まえて,業態開発におけるBM市場への参入を実現している小売企業を研究対象とした。これらの小売企業は,同じ業態のフォーマットを新規の小売事業として展開した小売企業である。フォーマットを開発した小売企業がフランチャイザーとなり,全国の小売企業がフランチャイジーとなって,同じフォーマットが全国的に多店舗展開されていた。
しかし問題のフォーマットを小売事業として成長させるという点で成功した企業は,複数ある企業のなかで,たった1つの企業でしかなかった。それもフォーマットを開発したフランチャイザーの小売企業ではなく,フランチャイジーの小売企業であった。この唯一成功したとも言える小売企業は,そのフォーマットの小売事業展開に成功したことによって,小売企業としても飛躍的な成長を遂げることができた。
この事例について調査するなかで,食品小売市場におけるBM市場への参入行動のプロセスを明らかにすることができた。問題のフォーマットは,ディスカウント指向の強く,さらに大量消費生活を営む比較的小さな規模の市場セグメントを標的として市場に参入する戦略を採っていた。このフォーマットを小売事業展開した多くの小売企業は,参入時の標的市場にとどまらざるを得なかった。しかし唯一成功した小売企業は,参入時の標的市場を足がかりに,その標的市場の規模を拡大した。標的市場の拡大に貢献した第1の要因は,チェーンストア経営の導入である。もう1つの要因は,マーチャンダイジングを中核としたフォーマット開発である。そしてこの2つの要因は,サプライチェーンの革新によって結びつけられ,小売事業の「成長サイクル」を作り出していた。
本年度は,豊富な2次資料,さらに聞き取り調査を通じて,以上に述べた事実を発見することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究開始から3年目において,業態開発におけるBM市場への参入を実現している小売企業を調査し,その市場参入行動のプロセスを明らかにできたことは,研究開始当初の目標であった。今後は,調査によって明らかにされた事実を分析するため,先行研究のレビュー,分析枠組みの構築,さらに不足するデータの収集に努めることになる。この点についても,四年目に想定していた状況であるため,おおむね順調に進展していると考えている。

今後の研究の推進方策

研究計画書にあるように,平成24年度は,(1)研究成果報告,(2)報告成果の再検討,(3)研究成果の精緻化を中心に,本研究を進める予定である。左記に記述したように,調査によって明らかにされた事実を解釈するために,既存研究をレビューし,分析枠組みを構築する。また本研究に関する研究成果を総括し,論文などにまとめ上げる作業に取りかかる予定である。

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公開日: 2013-06-26  

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