研究課題
今年度は研究期間の最終年度にあたることから、主としてこれまで行ってきた研究のまとめを行う年として位置づけられた。具体的には、これまでにディスカッションペーパーとして刊行した研究成果を海外雑誌へ掲載したことや過去2年間において未完成であった研究を完成させた上でディスカッションペーパーの形で発行したことなどをあげることができる。なおIUP Journal of Risk and Insuranceに刊行した論文(An Economic Analysis of 'Explanation Investment' in the Insurance Market)の概要について述べれば以下のとおりである。この論文では、垂直的差別化が存在する保険市場において、消費者に対する商品説明のための投資についての分析を行ったものである。より具体的には、保険商品販売について競争的な保険市場において、商品説明投資の協調可能性およびその社会的望ましさについて考察した研究である。主たる結論としては、まず、高品質サービスを提供する保険会社が協調的な投資を望まないことから、自発的な投資を考えた場合、協調的な商品説明投資は均衡となりえないことを明らかにした。次に、協調的投資が何らかの形で実施された場合、生産者余剰は増加、消費者余剰は減少、そして社会的余剰は減少することを確認した。最後にこれらの結論から、何らかのルールあるいはメカニズムを用いての協調的な商品説明投資の促進は望ましいことでないことを明らかにした。
すべて 2012 2011
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)
Discussion Paper, Faculty of Economics, Nagasaki University
巻: 2012-2 ページ: 1-12
IUP Journal of Risk and Insurance
巻: Vol.8, No.2 ページ: 7-17
巻: 2011-5 ページ: 1-12
巻: 2011-6 ページ: 1-8
