研究概要 |
本研究では,国産食品と競合関係にある輸入食品の「価格と購入率」の関係を導くことを念頭においている.消費者の食に対する安全意識は年々高まり,安い輸入品から国産品を中心とした購買にシフトしようとする動きまで出てきている.また輸入品と国産品との価格差も購買に大きく影響していると考えられている.国内では,一般的に国産品より輸入品の方が価格は安い.これは,国際的にみると珍しい傾向にある.消費者が2つの同食品があった際,いくらから輸入品を購入し,いくらから国産品を購入するのか.平成22年度は,消費者への店舗内面接調査及びアンケート調査,野菜・果物の時系列的な価格変動の収集を主に行った.アンケート調査では平成21年度に行なった調査で不備だった点をカバーし再度調査を試みた.また国内外での学会発表を継続的に行い,他国での食品,価格状況についての情報などについて収集を行った. 今年度は,消費者の購買過程要因をふまえた購買行動分析とモデルの構築,検証及び輸入品と国産品の価格と購入率の関係をさらに明らかにしていきたいと考えている.これは協力頂いた東京都内近郊の某スーパーマッケットが欲している「価格と購入率」の関係を求めることに繋がる.2つの同食品があった際,いくらから消費者は輸入品を購買し,いくらから国産品を購入するのか,その価格と購入率の関係を導き出すことは,スーパーマッケットにとって有益な情報となる.同時に購買過程に影響を及ぼすと考えられるいくつかの要因は何かを消費者の店頭購買行動及び調査研究から導き価格と購入率のモデルの構築を目指す.
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