本研究課題の平成22年度の研究活動は、以下のようであり当初の予定通り遂行された。 敵対心の構造を消費者エスノセントリズムの側面から考察するために、平成21年度に行った4カ国調査データからアメリカ・中国・韓国・台湾消費者を対象にした消費者エスノセントリズムの効果を比較分析した。さらに、平成21年度に行った4カ国(アメリカ、中国、韓国、台湾)のインターネット調査結果の信頼性と妥当性を確かめるために、海外現地大学生調査とアメリカ消費者を対象にしたインターネット調査を実施した。 先行研究と平成21年度の調査結果から、反日感情における消費者エスノセントリズムと敵対心の関係性が明確にされていないことから、消費者エスノセントリズムの観点から各国消費者を比較分析した。その結果、アメリカ消費者における消費者エスノセントリズムは地域、性別、年齢、収入、教育水準などの要因に影響されるが、中国、韓国、台湾消費者はこれらの要因が影響されないことが明らかになった。さらに、貿易収支は消費者エスノセントリズムの先行要因になっていることも確認できた。これらの調査結果から、消費者エスノセントリズムの側面から、アメリカ消費者の異質性と、中国・韓国・台湾消費者の同質性が確認できた。特に、国土が広く人口も多い中国消費者の同質性が注目すべき点である。 平成22年度の海外調査は、平成21年度の研究成果に基づいた調査(現地大学生質問紙調査、インターネット調査)を展開した。平成21年度に行ったインターネット調査に加えて、各国における学生アンケート調査(平成22年11月~平成23年1月)とアメリカ消費者を対象にしたインターネット調査を行った。 以上の分析結果と調査データを様々な側面から統計的に分析するなど引き続き研究し続ける。
|