研究概要 |
平成21年度は概念整理と質問票の開発準備をおこなった。概念整理に関しては,5月に日本商業学会第59回全国大会ワークショップでは、「国際マーケティング・リサーチ方法論の諸課題」と題した報告を行い,フロアからのコメントに基づき,理論的欠点を修正している。また,質問票の開発準備に関しては,8月にタイ王国,9月にアメリカ合衆国で現地プレ調査を行った。とりわけ,文化の相互浸透の実態を観察するために,現地の大学,商業集積を訪問し,インタビューを行った。そこがら得られた知見を質問票の開発に役立てている。これらの作業をベースにしてこれまでの研究内容を修正し,平成22年3月にはInternational Marketing Workshopを開催した。ここには米国のミズーリ=カンザスシティからマーク・パリー教授を招聘し,"The Responses of U.S. Retailers to the Current Recession"というタイトルで講演を受けた。このワークショップでは小売りのコンテクストで米国消費者の現状と企業の課題に関する議論が深められた。また,交差文化的マーケティング・リサーチ方法論研究に関する助言を受け,意見交換を行った。また,平成22年3月には国際経営の諸課題という研究会を開催し,東京大学院の大木清弘氏,関西大学の川上智子教授,そして,小職が報告を行った。小職の報告はこれまでの学会報告やプレ調査をまえて概念整理をリファインした内容で行われ,さらなる理論的課題を中心に議論が行われた。また,大木氏からはリサーチ・サイトの候補であるタイ王国における調査に関する助言を受け,リサーチ・デザインの構築に役立てている。
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