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2009 年度 実績報告書

利益のボラティリティの構造と資本市場の評価

研究課題

研究課題/領域番号 21730383
研究機関武蔵大学

研究代表者

海老原 崇  武蔵大学, 経済学部, 講師 (00367129)

キーワード利益のボラティリティ / 利益の質 / 報告利益管理 / アクルーアルズ / 利益の持続性
研究概要

本年度は、(1)利益のボラティリティの構造分析、(2)利益のボラティリティの資本市場における評価の検証を行う準備として、利益の価値関連性に関する文献、利益のボラティリティを扱った文献、ボラティリティの分解に関する文献の渉猟を行った。
文献の渉猟の結果に基づき、上記(1)および(2)の研究の前段階として、(ア)利益のボラティリティと損益の対応との関係、(イ)包括利益の特性と資本市場における評価との関係の分析を行った。(ア)では、損益の期間対応が悪いほど利益のボラティリティが大きくなることを示し、損益の対応の悪化による利益のボラティリティの増分が大きいほど、利益の将来キャッシュフロー予測能力が低下することを示した。この成果については、「収益と費用の対応、利益のボラティリティ、利益の将来キャッシュフロー予測能力の関係」という論題で『武蔵大学論集』第57巻第1号に掲載した。(イ)では、ボラティリティが純利益よりも大きい包括利益は市場においてミスプライシングが観察されているが、株主資本等変動計算書の開示の開始以降は、有意なミスプライシングが観察されないという結果が得られた。この成果は、「財務業績報告の透明性に関する実証研究-株主資本等変動計算書の導入効果の検証-」という論題で日本会計研究学会第68回全国大会(関西学院大学)にて発表した。
また、以上の分析結果に基づいて(1)についても研究を行い、利益の持続性との関係の検証を通じて、利益のボラティリティの構成分析を行った。分析の結果、利益のボラティリティの大きさはキャッシュフローとアクルーアルズの相関関係に大きく依存しており、両者の相関を強く負にするような報告利益管理によって、利益のボラティリティを小さくする余地があることを示した。この成果は、「利益の持続性と利益のボラティリティ」という論題で『武蔵大学論集』第57巻第3・4号に掲載した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 利益の持続性と利益のボラティリティ2010

    • 著者名/発表者名
      海老原崇
    • 雑誌名

      武蔵大学論集 57巻第3・4号

      ページ: 553-596

  • [雑誌論文] 収益と費用の対応、利益のボラティリティ、利益の将来キャッシュフロー予測能力の関係2009

    • 著者名/発表者名
      海老原崇
    • 雑誌名

      武蔵大学論集 57巻第1号

      ページ: 95-142

  • [学会発表] 財務業績報告の透明性に関する実証研究-株主資本等変動計算書の導入効果の検証-2009

    • 著者名/発表者名
      海老原崇・菅野浩勢
    • 学会等名
      日本会計研究学会第68回全国大会
    • 発表場所
      関西学院大学
    • 年月日
      2009-09-04

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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