本研究は、利益のボラティリティの構造を明らかにし、利益のボラティリティに対して市場がどのように評価しているのかを明らかにすることを目的としている。分析の結果、キャッシュフローのボラティリティが大きい場合、これが利益のボラティリティにダイレクトに反映されることを防ぐために、アクルーアルズを用いた調整を行っている可能性が示唆された。また、利益のボラティリティが小さい(大きい)ほど、利益の持続性は高い(低い)ことが確認された一方、利益情報に対する市場評価の尺度であるERC と利益のボラティリティとの明確な関係は観察されなかった。
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