本研究は、知識創造化社会の進展を背景として、企業の持続的競争優位の中核をなす人的資本に焦点を当て、従業員重視のマネジメントにおける人的資本の測定・開示はいかにあるべきかを理論的かつ実証的な側面から体系的に研究することを目的とするものである。平成21年度は、本年度の研究実施計画にしたがって、従業員重視のマネジメントおよび人的資本の測定・開示に関連した広く内外の文献の収集と緻密な文献研究を行い、各国における人的資本マネジメントの特徴点や人的資本の測定・開示における問題点を解明するべく、理論研究を推し進めている。加えて、わが国の全上場企業(会社四季報2010年1集掲載企業)を対象に、「企業における人的資源の評価と測定手法」について、現在の実務実態の把握と意識調査を行うために、海外の先行研究に基づきアンケート調査を実施している。さらに、「新規株式公開(IPO)目論見書における人的資本の開示分析」を遂行する上で、必要となる国内外の文献の収集と分析を行っている。これらの研究成果については、次年度以降に公表を予定している。
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