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2010 年度 実績報告書

合理的選択および確率モデルによる階層研究

研究課題

研究課題/領域番号 21730396
研究機関東北大学

研究代表者

浜田 宏  東北大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (40388723)

キーワード教育達成 / 合理的選択 / 階層間格差 / 相対的リスク回避
研究概要

Breen et al(2009)がヨーロッパ各地で観察してきた「大学進学率上昇に伴う,出身階層間の教育達成格差の縮小」という現象が,出身階層間の学力分布の違いによって生じることを数学的に証明した.このモデルは,大学入試が制度化されている社会では,大学入学定員の増加によって,大学入学者の学力が低下すると,学力分布の形状によって必然的に,出身階層間の教育達成格差が縮小することを示している.またこのことが,Breen-Goldthorpeが提唱する「相対リスク回避仮説」と同時に成立することを数値計算によって示し,第50回数理社会学会大会(2010年9月10日)にて報告した.この他に,浜田・七條(2010)では,相対的剥奪が複数の属性の異なる集団間で,客観的な報償密度の変化に対応してどのように変化するのかを数理モデルによって明らかにした.非自明なインプリケーションとして,分布の形に依存せずに,相対的剥奪割合が報償密度の増加関数となる領域と減少関数になることを一般的な条件の下で証明した.またアメリカ兵データで示された「昇進したにもかかわらず,不満を持つ兵士の割合が,客観的昇進率の高い集団に於いて,低い」という逆説的事実が,モデルから説明可能であることを示した.その他には,N人集団における囚人のジレンマのランダムマッチングによる繰り返しに於いて,タグに基づく協調がどのような条件の下で安定となるかをシミュレーションによる数値計算をもとに,レプリケータダイナミクスで一般化する研究を進めている.この研究により,階層的多様性と協力という一見すると相反する集団の特性と行為が,理論的に説明することを目指している.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 異質な集団における相対的剥奪モデル2010

    • 著者名/発表者名
      浜田宏・七條達弘
    • 雑誌名

      理論と方法

      巻: 25(1) ページ: 107-123

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 差別をめぐる相互行為のダイナミクスー-演繹的社会学のコアとしての数理社会学2010

    • 著者名/発表者名
      浜田宏
    • 雑誌名

      フォーラム現代社会学

      巻: 9 ページ: 42-51

  • [学会発表] 教育達成における階層間格差の分布関数モデル-IEOモデルとRRAモデルの統合と一般化2010

    • 著者名/発表者名
      浜田宏
    • 学会等名
      第50回数理社会学会大会
    • 発表場所
      獨協大学
    • 年月日
      2010-09-10
  • [学会発表] A Model of Class Differentials in Educational Attainment2010

    • 著者名/発表者名
      Hiroshi Hamada
    • 学会等名
      17th ISA world congress of sociology
    • 発表場所
      Gothenburg, Sweden
    • 年月日
      2010-07-14

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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