戦争体験者が次々と亡くなってゆく現在において、本研究課題では、戦争体験の共有と継承の現状を実地調査および文献調査によって明らかにしようとした。特に、共有や継承の重要な地点である各種図書館・文書館、戦争・平和記念館における様々な試みに注目したほか、それらをまちづくりや観光に活かす試みにも注目した。 一方、2011年3月12日に調査予定地域で発生した大地震(いわゆる長野県北部地震・栄村大震災)のため、戦争体験者への継続的な聞き取り調査については断念せざるを得ない部分があった。また、理論的には、そうした共有と継承とも関連して、戦争と社会の関連を様々な視点から検討する戦争社会学の分野形成を模索した。
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