• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

社会の開放性と政策の影響に関する計量社会学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21730404
研究機関東北大学

研究代表者

三輪 哲  東北大学, 大学院・教育学研究科, 准教授 (20401268)

キーワード社伝移動 / 政策 / 二次分析 / 多水凖分析 / コンピュータシミュレーション
研究概要

本研究課題においては、政策による社会の開放性への影響に焦点を絞り、計量社会学的研究を構想することを目的とする。4年度計画の初年度にあたる平成21年度は、研究体制の確立に向けて、物的な基盤と研究資料の収集をおこなうことが中心となった。
既に入手・加工された個票データの予備的な分析に基づいて、成果を国内外の学会大会等で口頭報告したほか、雑誌論文にて発表した。
それらの知見を整理すると、世代間移動および世代内移動のメカニズムの構造的変化を探った。結果として、以下の諸点が明らかにされた。第1に、世代間移動については移動構造の安定性という普遍的傾向が再確認された。第2に、世代内移動については、近年にキャリアの流動化という時代的影響を受けて、移動経路の変化と解釈されうる結果を得た。社会移動の変化の焦点が自営業であることが見出されたため、自営業の開業と継承のメカニズムを解析したところ、自営業は世代間再生産傾向の強い階層だが新規開業にはそれはあてはまらないこと、新規開業には情報源となる友人との社会的ネットワークが促進要因となること、ネットワークの効果は男性のみに現れることなどが明らかにされた。従来、回顧的な情報によって析出されていた社会的ネットワークの効果が、日本全国を対象とした良質なパネルデータによっても裏付けられたことは、本研究分野の実証的成果の確かさをより高めるものとなった。
今後は、社会的ネットワーク形成を促進しうる政策の比較酌量と、ネットワーク以外の要因の検討、効果の制度比較を可能にする国際比較分析の展開が課題となる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 新規開業における世代間再生産と社会的ネットワークの影響2010

    • 著者名/発表者名
      三輪哲
    • 雑誌名

      日本政策金融公庫論集 6

      ページ: 79-100

  • [雑誌論文] 現代日本における世代間移動と世代内移動:1995-20052010

    • 著者名/発表者名
      三輪哲
    • 雑誌名

      中央調査報 629

      ページ: 1-5

  • [学会発表] 東大社研パネル調査(JLPS)に見る若年者の行動と意識(1)2009

    • 著者名/発表者名
      石田浩・大島真夫・苅谷剛彦・三輪哲
    • 学会等名
      第61回日本教育社会学会大会
    • 発表場所
      早稲田大学
    • 年月日
      2009-09-12
  • [学会発表] Micro-Class mobility in Contemporary East Asia2009

    • 著者名/発表者名
      三輪哲
    • 学会等名
      The 6^<th> International Convention of Asian Scholars
    • 発表場所
      Daejeon Convention Center, Korea
    • 年月日
      2009-08-06

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi