平成22年度の研究実績 本研究は、1.アメリカ社会学者E.ゴッフマン理論の総合的・基盤的研究を行うこと、及び2.同理論を分析枠組みとしつつ、現代社会における女性の身体統制に関わる比較文化研究を行うこと、にある。平成22年度は、主に以下の活動を通して研究の促進に努めた。4月から8月にかけては、日本(東京)を拠点に女性の身体統制に関わる調査研究を進め、同時に関西社会学会をはじめとした各学会に参加した。9月には、女性の身体統制に関する比較調査を行うために台湾(国立台湾大学)に渡航した。10月には、フランスに渡航し、高等師範大学リヨンヴァンカン教授のもとで、アーカイブス調査に従事した。この度の渡航を通じて、アーカイブスにおける未公刊資料を検討するとともに、同教授とのセッションを通じた、現代社会における女性の身体統制を分析するための理論的フレームワークを構築することに従事した。11月には再度台湾に渡り、国立台湾大学において女性の身体統制に関する学会報告を行った。 また、日本社会学会においては、ゴッフマン理論とエスノメソドロジーの関係性に関わる報告を行った。(平成23年)1月には、香港大学において、女性の身体統制に関する学会報告を行い、東アジアにおける同研究の比較検討を行うことが可能になった。また2月には、大阪府立大学において開催された第3回社会構築主義の再構築プロジェクト研究会(略称RSC研)に参加し、アーカイブス調査を踏まえたゴッフマン理論とガーフィンケルの関係性についての研究報告を行った。
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