平成23年度の研究実績 本研究は、1.アメリカ社会学者E.ゴッフマン理論の総合的・基盤的研究を行うこと、及び2.同理論を分析枠組みとしつつ、現代社会における女性の身体統制に関わる比較文化研究を行うこと、にある。本年度は、主に以下の活動を通して研究の促進に努めた。 全体を通じては、女性の身体統制に関わる調査研究を洗練させつつ、継続していくこと、そしてそれらのデータを分析するための理論構築を行うことに従事してきた。また、本年度は本科研費受給最終年度ということもあり、今後も研究を継続していくために必要であると思われる、国際的な研究者ネットワークを形成することにも尽力した。 その活動の一環として、5月には、浙江大学において、日本文化研究者の王勇教授のもとを訪問し、同氏が企画したワークショップに参加することなどを通じて、東アジア社会における社会規範と身体統制の関係について考察を深めた。9月には、女性の身体統制に関する比較調査を行うために台湾(国立台湾大学)に渡航した。本渡航期間中に、インタビュー調査と文献収集を行うことが可能になった。また、国立台湾大学におけるジェンダー研究所を訪問し、国際的な研究者ネットワークを構築することにも努めた。11月には、韓国ヨンセイ大学において開催された社会学(東アジア研究)関連のシンポジウム(組織者:同大学キム・ドンノ教授)に参加し、東アジア地域における社会学者やジェンダー研究者とのネットワーク構築に従事した。3月には、インディアン・ハビタットセンター(デリー)において、これまでの調査データをもとにした研究報告を、IIS(国際社会学機構)国際学会において行った。
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