本研究は、人びとが土地に関わることで獲得してきた「正義(=正統性)」とそれを周りから注視する「公共性」のあり方について社会学的に分析することを目的とした。そして「環境正義」といわれる文化的な不公正と経済的な不公正の両者を統合するアプローチを目指した。具体的には、三陸海岸の養殖、災害指定地域などの事例を対象にフィールドワークを行った。この調査によって、構造化された貧困をソフトに転換させる可能性を拓いたり、ある社会制度やしくみを通じて、生活困窮者が貧困から脱していく猶予や空間を確保することを、社会側がバックアップする制度について検証した。
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