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2011 年度 実績報告書

韓国における高齢者と家族関係の変容に関する実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21730427
研究機関フェリス女学院大学

研究代表者

金 香男  フェリス女学院大学, 国際交流学部, 准教授 (80410059)

キーワード家族社会学 / 社会福祉学 / 高齢者福祉・政策 / 家族関係 / 高齢者扶養と介護 / 比較研究 / 韓国と日本
研究概要

研究最終年である本年度は、昨年度までに収集した現地調査のデータと統計資料に基づき、韓国高齢者の現状と家族関係について検討した。主に、高齢者に対するインタビュー調査の結果をまとめ、分析するとともに、インタビュー調査の結果、収集の必要性が生じた文献や資料を入手し、韓国での補足調査をおこなった。インタビュー調査から得られた知見は、以下の通りである。
(1)戸主制度の廃止後、男の子を産んで家を継承するという「父系血縁」意識は弱まっており、とくに家の継承者である長男が老親を扶養・介護するという伝統的な家族責任意識は次第に後退していた。代わって、高齢者自身の自立や政府・社会の責任を強調する声が高まっていることが明らかになった。
(2)2008年度から完全老齢年金が支給されているが、国民年金制度の歴史が浅く受給率も低いため、多くの高齢者は「無年金・低年金」の状況に置かれている。そのなか、低所得高齢者を対象に実施されている基礎老齢年金は、高齢者の所得保障や貧困問題の改善にある程度貢献していることが明らかになった。また老後の生活においては、都市の場合、農村ではあまりみられなかった階層による差異が顕著であった。
(3)介護保険の実施については、概ね肯定的に評価しつつも福祉サービスの利用にあたっての経済的負担を指摘する声が多かった。とくに、農村部の高齢者は子どもとの同居率が低いこともあって、近隣との交流は盛んであるが、都市に比べて医療施設やサービスが充実していないことから、多くの高齢者が生活不安を抱えており、高齢者の生活・福祉ニーズにおける地域間の格差が浮き彫りになった。
以上、調査結果の一部を学会報告や論文を通じておこなっており、今後さらに分析と解釈を深めて論文等の形で成果公表を行う予定である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 急速な高齢化と所得保障-韓国の高齢者を中心に2011

    • 著者名/発表者名
      金香男
    • 学会等名
      日本家族社会学会
    • 発表場所
      甲南大学
    • 年月日
      2011-09-11
  • [図書] 『韓国の少子高齢化と格差社会』「韓国高齢者の生活と所得保障」2011

    • 著者名/発表者名
      金香男、春木育美・薛東勲編
    • 総ページ数
      47-65
    • 出版者
      慶應義塾大学出版会

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公開日: 2013-06-26  

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