本研究では、日本社会において国際協力活動に関わる「市民」を対象とした。昨今、「市民参加による国際協力」がODA事業の一つの課題としても掲げられ、21世紀に入ってからNGOなども非常に活発に開発途上国やポストコンフリクト地域で活動を行ってきた。その影響から、市民の国際協力への意識も高まり、ボランティア活動などNGOへの支援も活発になった。 今回の調査研究では、10数年以上にも及んで「草の根」の国際協力活動を行っているNGOまた団体にインタビュー調査を行い、支援活動に関わる意味、きっかけを比較研究した。そこから判明したことは、日常生活、または仕事の延長線上で出会った事柄、人とのつながりを維持したことから、開発途上国との国際協力活動が生まれ、ごく少数で始まった活動が年数を経るに従ってその趣旨に賛同する仲間が増えていったことが分かった。
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