(A)「地域住民の高齢者支援パワー尺度」の項目の再検討 尺度項目を追加し、信頼性及び妥当性の検討に向けて社会調査を実施した。20年度に実施した調査と同地域・同対象に対して、同じ項目でのコホート調査を実施しており、尺度について20年度・22年度の比較検討が可能となった。 分析の詳細については、23年度の課題としたい。 (B)エンパワメント・プログラム開発の継続 調査を実施した地域では、高齢者で農作業をしている人の割合が高いという強みをいかし、農産物直売所が開設した。この農産物直売所の存在がその周辺地域で生活する住民(高齢者含む)のパワーを高める役割を果たしているのかどうか、検討する項目を含んで調査を実施した。分析の詳細については、23年度の課題としたい。 また、地域包括支援センターとの連携による地域の高齢者福祉課題の解決に向けた取り組みでは、地域ごと(小学校区程度の範囲)に異なった状況や課題があることや地域ごとに問題解決方法を検討していく必要性は明らかになった。それぞれの地域で地域住民を主体としたプログラム検討を進めていくことの難しさが明らかになった。 (C)エンパワメント・プログラム及びすでに行なわれている取り組みの科学的評価の試行継続 開発したプログラムの評価に加え、すでに地域住民のエンパワメントを意図したプログラムとして行なわれているものの評価を試行する予定であったが、プログラムの選定等を十分に行うことができなかった。「地域住民の高齢者支援パワー尺度」の信頼性・妥当性を改めて確認したうえで、プログラムの科学的評価の可能性について検討することを今後の課題のひとつとしたい。
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