「地域住民の高齢者支援パワー測定尺度(以下、パワー尺度)」によりエンパワメント・プログラムの評価を試行した。はじめに、民生委員対象のプログラムを検討・実施・評価した結果、有意な効果は認められなかった。しかし、このデータから「介護保険の認知度」が高い民生委員の「地域の福祉課題に対する影響力意識(以下、影響力意識)」が高いことが明らかになった。次に、限界集落Aでは高齢者で農作業従事者の割合が高いという強みから2009年に農産物直売所を開設させ、エンパワメントの視点から直売所の評価に取り組んでいる。このデータから、限界集落の住民について、パワー尺度の下位尺度「影響力意識」得点が高い場合、本人が「元気な時」「他者の世話が必要になった時」ともに有意に永住希望を持ちやすくなる可能性が示された。
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