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2011 年度 実績報告書

自立支援プログラムを活用したホームレス支援の実践モデル開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21730470
研究機関日本福祉大学

研究代表者

山田 壮志郎  日本福祉大学, 社会福祉学部, 准教授 (90387449)

キーワード社会福祉 / ホームレス / 貧困 / 生活保護 / 無料低額宿泊所
研究概要

本年度は、昨年度に引き続き無料低額宿泊所の実態を解明することを目的に研究活動を行った。特に、本研究全体のねらいが福祉事務所におけるホームレス支援のあり方を考察することにある点に鑑み、生活保護行政と無料低額宿泊所との関係に焦点を当てた研究を行った。具体的には、厚生労働省が2010年に行った無料低額宿泊所の実態調査の個票データを、行政文書開示請求制度を通じて入手して分析した。同調査は、無料低額宿泊所の実態に関する唯一の政府調査であるが、厚生労働省による公表資料(2011年6月発表)は、すべての調査項目の集計結果が示されているものではなかった。したがって、本研究によって個票データを用いた詳細な分析ができたことは、社会的意義の高いことであったと考えている。
分析結果は2011年10月の日本社会福祉学会で発表し、それをもとにした論文は同学会誌に掲載される予定である。この論文で主に明らかにしたことは、1、多くの施設が近隣の一般アパートと同程度以上の宿泊料を徴収しながら、居住環境は一般アパートと同程度以上とは言い難いこと、2、入所期間が1年以上の長期にわたる入所者が6割に上る一方で、長期入所の要因としてしばしば指摘される要介護高齢者や障害者の入所は例外的であること、3、入所者の保護費を都道府県が負担する運用が、一般アパートへの転居を阻害し入所期間を長期化させていると推測されることである。
無料低額宿泊所問題は、その劣悪な処遇実態のみに関心が向けられがちであるが、本研究の結果は、宿泊所が拡大する背景にある生活保護行政の歪みを是正しない限り問題の解決は図れないことを示したと言える。このことは、生活保護行政の文脈からホームレス支援のあり方を考察するという本研究事業全体の目的にとって有益な知見であった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 無料低額宿泊所の現状と生活保護行政の課題2012

    • 著者名/発表者名
      山田壮志郎
    • 雑誌名

      社会福祉学

      巻: 第53巻1号,(刊行予定、掲載決定)

    • 査読あり
  • [学会発表] 貧困ビジネスの現状からみた生活保護行政の課題-無料低額宿泊所問題を中心に2011

    • 著者名/発表者名
      山田壮志郎
    • 学会等名
      日本社会福祉学会第59回秋季大会
    • 発表場所
      淑徳大学(千葉県)
    • 年月日
      2011-10-09

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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