平成21年度は、認可保育所の運営における民間営利組織参入の全体像を明らかにするために、『社会福祉施設等調査報告書』、『社会福祉施設等名簿』など、厚生労働省がまとめた刊行物を中心に収集・分析を行った。 民間営利組織による認可保育所の運営の形態は、(1)民間営利組織が設置運営を行う形態(民設民営保育所(営利型))と、(2)公立保育所の運営を民間営利組織に委託される形態(公設民営保育所(営利型))がある。2007年10月現在、民設民営保育所(営利型)の施設数は115か所で、保育所総数の0.5%、私立保育所数の1.0%となっている。公設民営保育所(営利型)の施設数は41か所で、保育所総数の0.2%、公設民営保育所数の10.3%となっている。 都道府県別に見ると、民設民営保育所(営利型)、公設民営保育所(営利型)ともに大都市(政令指定都市・特別区)を抱える都道府県に集中していることが明らかになった。しかしながら、必ずしも待機児童数の多い都道府県において推進されているわけではない。 認可保育所への民間営利組織の参入は、政策的には都市部を中心とした待機児童の解消を図ることを意図していたが、介護サービスと比較しても参入は進んでおらず、保育サービスの量的拡大の大きな要因となっているとは言い難いことが明らかになった。
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