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2011 年度 実績報告書

高齢者ケア施設におけるターミナルケア実施が職員に与える心理的影響

研究課題

研究課題/領域番号 21730486
研究機関関西国際大学

研究代表者

安部 幸志  関西国際大学, 人間科学部, 准教授 (90416181)

キーワード社会福祉関係 / ターミナルケア / 高齢者福祉 / 心理学 / 介護老人福祉施設
研究概要

本年度は、前年度と同じく財団法人介護労働安定センターのよる2007年度介護施設雇用管理実態調査のデータを用いて分析を行った。本研究では、ターミナルケアの経験を独立変数とし、労働条件や仕事上のストレッサーを媒介要因として布置したモデルと、労働条件や仕事上のストレッサーを独立変数とし、ターミナルケアの経験を媒介要因として布置したモデルを構築し、構造方程式モデリングによる分析を行った。その結果、Anderson & Gaugler(2007)とは異なり、ターミナルケアの経験が他の変数を媒介して、直接的にバーンアウトに影響しているというモデル(媒介モデル:x^2(20)=112.23,CFI=.992,GFI=.976,RMSEA=.075,AIC=72.23)よりも、ターミナルケアの経験が、他の変数を媒介した上で、バーンアウトに影響しているというモデルの適合度が高いことが明らかとなった(x^2(18)=57.75,CFI=.992,GFI=.987,RMSEA=.052,AIC=21.74)。また、媒介要因として、もっともバーンアウトに強い影響を与えていたのは、「従事している業務の量と質」因子であった(β=-.30,p<.005)。本研究結果から、ターミナルケア実施の経験が直接的に介護施設職員のバーンアウトをもたらしているのではなく、従事している業務の量と質によって結果に影響が出ることが示唆された。つまり、介護施設職員の業務に余裕があり、落ち着いて看取りを迎える環境が整っていれば、ターミナルケア実施の経験は、バーンアウトに陥る可能性を低めるとともに、職務への効力感をもたらすが、そのような環境にない場合は、看取りを行うことがストレスになりうることが示された。今後は、ターミナルケアに対する職員の認知的評価や、死に対する恐怖や不安などの死生観が及ぼす影響について、関連要因に含めたモデルの分析が必要と考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Positive effects of experience in terminal care on nursing home staff in Japan2011

    • 著者名/発表者名
      Abe K, Ohashi A.
    • 雑誌名

      American Journal of Hospice & Palliative Medicine

      巻: 28 ページ: 389-92

    • DOI

      DOI:10.1177/1049909110396351

    • 査読あり

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公開日: 2013-06-26  

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