本研究は、職種の異なるスタッフと協力することや,自発的に役割外行動に従事することが不可欠である病院組織に注目し、近年、注目されている複数のリーダーに分散したリーダーシップの共有的発揮形態の効果を検討することを目的とした。縦断的調査、およびWebでの横断的調査を実施し、一貫して、リーダーシップの共有的な発揮形態がフォロワーの勤務意欲等を高めることが示唆された。これらの検討結果は、医療現場で特に問題とされる医療ミスなどの防止・抑制にも、権限委譲に基づく共有的なリーダーシップの発揮が有効である可能性を示すものと思われる。
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