本研究の目的は、ポジティブあるいはネガティブな自己認知がそれぞれどのような状況において目標追求を促すのかを検討することである。促進焦点が活性化している場合はポジティブな自己認知によって利得接近行動が増され、予防焦点が活性化している場合はネガティブな自己認知によって損失回避行動が増進されるだろうという予測を検証するために、研究1~7を実施した。その結果、過去の質問紙調査データについて再分析を行った研究1~2、および質問紙実験を用いた研究4~5においては仮説が支持されたものの、実験室実験を用いた研究6・7ではいずれにおいても仮説は支持されなかった。研究手続きの改善を加えつつ検討を進めることが必要である。
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