大別して2つの研究活動を実施した。第1に、これまでに得た小、中、高調査データの解析、ならびに報告を学会にて実施した。小、中、高を通して、メールを"頻繁に"使うことが個人適応を悪化させず、社会的マナーや信頼といった、社会的適応についての規範や能力を悪化させることが分かった。さらに中学生については、以下のことが明らかになった。それは、メール送受信が多い者は社会的スキルや友人サポートも多いが、メール依存を介すると、学習的適応や生活満足感が低いことである。また、親子で展開されるルールに時間制限や相手制限ではなく、使う状況(食事中)や使うコンテンツ(有料サイト)に着目したルールの適用が多いことが明らかになった。 第2に、広島市教育委員会主催の電子メディア子ども会議に参加し、小、中、高校生、ならびに電子メディアコーディネーターらと議論を行った。その際に、データを収集し、小、中、高校別の利用特徴を示し議論の設定を行った。そして報告書作成執筆を実施した。 第3に、携帯電話利用を促進・抑制する要因となりうる対人ネットワークの影響についての調査設計ならびに予備調査を開始した。平成23年度に本調査の予定である。 第4に、保護者からの携帯利用についての意見聴取を行い、そこで上がってきた問題点を整理している。平成23年度に集約予定である。
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