研究課題/領域番号 |
21730517
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
安達 智子 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (40318746)
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キーワード | 教育心理学 / キャリア発達 / ワーク・ライフ・バランス |
研究概要 |
わが国では、生き方や働き方の多様化を背景に、男女が互いの領域で活躍する相互乗り入れが見られるようになった。本研究では、未入職者が異性の領域の事柄に対して興味をもち、ひいては選択肢の一つとして考慮できるように働き掛ける支援・介入方策について考えることを目的とした。くわえて、男女ともに関心の低下が危惧されている科学技術職への興味・関心と関わりをもつ要因についても検討をくわえた。 本年度は、在学生と学卒者を対象として行なったインターネット調査で得られたデータを分析・解釈した。その結果、我が国の大学生は、男女の占有率を反映させたかたちで職業についてジェンダー・タイピングを行なっていることが示された。また、科学技術職への興味を喚起させるには、男女ともに現実的、研究的領域に対して高い自己効力を形成することが鍵になることが分かった。また、自己効力の形成には、過去の子供時代の生活体験や自然体験が関わりをもつという結果が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.国内データの分析:計画通りに在学者・学卒者のデータを収集して分析・考察した。 2.キャリア意識の国際比較:データの収集を終え、分析に着手している。 3.国内外学会での報告:予定のとおり国内外にて成果を発表した。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの分析の結果を踏まえて、キャリアのなかでも職業選択と結びつきの深いワーク・キャリアに焦点を絞り検討を深めることにした。また、職業のなかでも、とくに男女占有率の開き目立つ職業、すなわち性別職域分離のみられる領域をとりあげ、それらに対する在学生の意識、ならびに学卒社会人の意識を捉え相互比較を行う。また男女ともに関心の低下が危惧される科学技術職もとりあげ、それらに関するジェンダー・ギャップについても考えていきたい。さらに、国内で得られた結果を海外のデータと比較することで、我が国の若者に特有の傾向を浮き彫りにして、若者層への介入や働き掛けについて考えていく予定である。
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