本年度は,1.日本人を対象とした検討,2.日比比較,3.研究成果の公刊という3つの研究目標をあげていた。 1については,インターネット調査により得られた結果を分析し,若者が男女比率という目につきやすい職務特性に影響をうけるかたちで職業に対するジェンダーステレオタイプを形成していることが明らかとなった。また,この傾向は若者だけではなく学卒社会人においても同様であることが分かった。 2.日比比較の結果からは,日本人の大学生はフィリピンの大学生に比して,科学技術職に対する自己効力が低いことが示された。一方,現実的,研究的な領域に対する自己効力と興味のつながりは両国に共通であることも見出された。 3.研究成果の発表と公刊については,最終年度となる本年度は,3つの学術論文と3つの学会発表として成果を結実させることができた。これらによって,現代の若者層のキャリア意識の傾向について広く情報を発信し,その支援や介入について考えていくための方向性を示すことが出来た。本研究はこの年度で終了となるが,ひきつづきこのテーマについて研究を発展させていく予定である。
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