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2010 年度 実績報告書

母親が語る障害のあるわが子と自己の人生:生涯発達の視点から

研究課題

研究課題/領域番号 21730518
研究機関奈良女子大学

研究代表者

東村 知子  奈良女子大学, 文学部, 非常勤講師 (30432587)

キーワード生涯発達 / 親子関係 / 語り / 障害 / 協同実践
研究概要

本研究は、障害のある子をもつ母親の語りをもとに、母親としての生涯発達と親子関係の変容プロセスを明らかにしようとするものである。平成22年度は、過去のインタビューデータの再分析、歴史的資料の検討、新たなインタビューデータの収集、の三つを中心に実施し、次のような成果が得られた。
第1に、成人した障害のある子をもつ2名の母親に行った過去のインタビューデータを再分析した結果、語りの「形式」と「場」、語りの中の時間、「語りえないこと」、語ることの意味など、母親の語りを見るためのいくつかの視点の重要性が明らかになった。1名の母親に対しては再インタビューを行い、前回行った時点からの変化を聞き取った。
第2に、インタビューデータを補完し、比較を行うために、障害児者の親による手記を収集し、分析を行った。その結果、親が自分たち親子を支えてくれるはずの専門家や周囲の人々との間にも、大きな溝を感じているという事実が見出された。また、障害のある子をもつ親として求められる生き方と、親が自らの人生を生きることとの間には時にずれが生じ、そのことが親にとって大きな負担になっているということが明らかになった。
第3に、歴史的資料の検討の一環として、障害児者の母親に関する心理学研究のレビューを行った。その結果、従来の研究では、それぞれの親の違いや、専門家と親の間の見方や感情のずれが見落とされがちであること、また障害児者の母親を、ストレスや不安などの心理的な問題を抱え、支援を必要とする「弱い」存在として一面的に描き出してしまう危険性をはらんでいることが明らかになった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 親が語る障がいのあるわが子と自己の人生-親による手記の分析-2011

    • 著者名/発表者名
      東村知子
    • 学会等名
      日本発達心理学会 第22回大会
    • 発表場所
      東京学芸大学
    • 年月日
      2011-03-26

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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