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2011 年度 実績報告書

母親が語る障害のあるわが子と自己の人生:生涯発達の視点から

研究課題

研究課題/領域番号 21730518
研究機関奈良文化女子短期大学

研究代表者

東村 知子  奈良文化女子短期大学, 幼児教育学科, 准教授 (30432587)

キーワード生涯発達 / 親子関係 / 語り / 障害 / 協同実践
研究概要

本研究は障害のある子をもつ母親の語りをもとに、母親としての生涯発達と親子関係の変容プロセスを明らかにしようとするものである。平成23年度は、ある地域でピアカウンセリングに参加している母親たちの語りの分析を中心に研究を実施した(1)。また、その比較対象として、必ずしも障害があるわけではないが、子育ての初期に大きな困難に直面するという意味では経験を共有していると思われる、超低出生体重児の母親に着目し、その語りを分析した(2)。
(1)障害のある子どもの母親たちが地域で行っているピアカウンセリングの場においてフィールドワークとインタビューを行い、その語りを分析した。その結果、(1)障害をもつ子どもの母親としての発達は、親としての自らの生き方について深く考え、選びとっていくプロセスであり、(2)そのプロセスは、障害のあるわが子だけでなく、さまざまな世代の障害のある子をもつ他の親たち、教育・福祉関係者や行政等わが子にかかわる人々、ピアカウンセリングにおける仲間、他の家族成員など、周囲の人々との相互作用が織り込まれたダイナミックなものであるということが明らかになった。
(2)超低出生体重児の母親5名の語りを分析し、その結果を(1)と比較しながら考察を行った。障害や出産、子育てを取り巻く社会的状況の大きな変化の中で、母親としての生き方が多様化・変化していること、その一方で問題の不可視化が生じ、そのために母親同士の連帯が難しくなっていることが示唆された。
上記の研究成果の一部は、論文として発表した。また、研究を通して得られた質的研究、特に語り研究全般に対するメタ的な考察の端緒として、コメント論文を執筆した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 質的研究という営み、論文という物語り2012

    • 著者名/発表者名
      東村知子
    • 雑誌名

      質的心理学フォーラム

      巻: 3 ページ: 85-87

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 母親が語る障害のある人々の就労と自立-語りの形式とずれの分析2012

    • 著者名/発表者名
      東村知子
    • 雑誌名

      質的心理学研究

      巻: 11 ページ: 136-155

    • 査読あり
  • [雑誌論文] わが子が「小さく生まれる」ことの意味-超低出生体重児の母親の語りから2011

    • 著者名/発表者名
      東村知子・西迫麻衣・濱田彩芽
    • 雑誌名

      発達・療育研究

      ページ: 19-35

  • [学会発表] わが子が「小さく生まれる」ことの意味-超低出生体重児の母親の語りから2012

    • 著者名/発表者名
      東村知子・西迫麻衣・濱田彩芽
    • 学会等名
      日本発達心理学会第23回大会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場
    • 年月日
      2012-03-10

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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