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2010 年度 実績報告書

議論可視化キットを用いた大学生の協働問題解決力の育成

研究課題

研究課題/領域番号 21730521
研究機関愛媛大学

研究代表者

富田 英司  愛媛大学, 教育学部, 講師 (90404011)

キーワード教育系心理学 / 大学教育 / 議論 / コミュニケーション / 問題解決
研究概要

本年度は2つの目的を掲げて研究を実施し,主に以下のような成果を得た。
(1)議論可視化キットをより自然な文脈で使用できるよう改善する
これまで開発した議論可視化キットは,マグネット・シートや粘着シールのコマをトラック上に貼り付けていくことで議論プロセスを可視化する方式をとっている。この方式には準備物が多く必要なため,20名程度までの授業では利用できるが,大人数の授業ではコストや時間がかかりすぎる。この点をふまえて,大人数の授業で利用可能なトラックシートと名付けたワークシートを作成した。また,授業参加者同士の相互評価を促進するための相互評価シートも作成した。これら紙ベースのツール群に加え,現在,スマートフォンで利用可能な簡易アプリケーションの開発に着手している。
(2)問題解決型議論過程モデルを用いて大学生が典型的に苦手とする要素を特定する
議論力トレーニングの機会を設定している大学の授業(受講者67名)において,議論可視化キットを用いた議論訓練を実施した。3回おこなわれたセッションのうち,1回目と3回目に出現した議論過程モデルの要素(「意見」「例」「理由」「回答」「質問」「付け足し」「感想」「疑問」「反論」「定義」「目標」「発言促進」「要約」「方法」)の頻度を比較した。その結果,「意見」「理由」「回答」は出現頻度が上昇した一方,「疑問」「方法」は出現頻度が低下した。その他の要素については明確な変化が見られなかった。このことから,個別に発言し,それに応じるといった1対1のコミュニケーションは容易に促進可能であるが,グループ全体に働きかけて議論を戦略的に展開するスキルについて促進することは難しく,多くの大学生が苦手としていることが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 議論トラッカーの開発と改良2010

    • 著者名/発表者名
      富田英司・慶徳直亮
    • 雑誌名

      Informatics

      巻: 4(1) ページ: 15-20

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 概念的階層性の理解における議論の役割2010

    • 著者名/発表者名
      富田英司
    • 雑誌名

      電子情報通信学会技術研究報告

      巻: 110(313) ページ: 47-50

  • [備考]

    • URL

      https://sites.google.com/site/tomidalab/research

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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