【目的】 ・ 成人と幼児に道具操作の模倣を求め、imitation-specifoc goal Selectionの妥当性と処理システムの検証を行う。 【研究1】 ・ 大学生32名に対し、コップ2個と棒状の糊1本を用いた道具操作を模倣させた。effecter(右/左手)×movement(右/左回し)×object(右/左側)×treatment(右/左端)×end point(右/左横)の要素を変数として32種の動作モデルを設定した(Ex.右手で糊を持ち、右回しで反転させ、右側のコップの右端を軽く触れた後、右横に置く)。さらに、動作モデルを動作に変換する課題と言語に変換する課題を設定した。また統制条件の他に、構音抑制条件、空間抑制条件、運動抑制条件を設定し、エラー反応を分析した。 【研究2】 ・ 幼児32名に対し、立方体1個(白色)と棒2本(白色)を用いた道具操作を模倣させた。effcter×tool×treatment×end pointを変数として16種の動作モデルを設定した。視覚的注意を捕捉するため、effecter条件(右手に青い手袋、左手に赤い手袋)、tool条件(右のtoolを青、左を赤)、treatment条件(立方体の右側を青、左側を赤)、end point条件(右に青いドット、左に赤いドット)、統制条件(全て白色)を設定した。新たに、幼児32名に対し同じ材料を使用しながら、要素の提示順序を組み替えた課題を行った。そして2つの課題のエラー反応を比較した。 【まとめ】 ・ 本年度の研究結果から、imitation-specific goal selectionの全体的な傾向を捉えた。また、研究1から特定の抑制課題が心内における動作のプランニングに影響を及ぼす可能性が推測された。研究2からエラー反応の生起数は、必ずしも提示順序に規定されないことが考えられた。
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