【研究1】 ・動作と言語の相互変換を検討した。大学生32名に対し、コップ2個と棒状の糊1本を用いた道具操作を模倣させた。effecter(右/左手)×movement(右/左回し)×object(右/左側)×treatment(右/左端)×endpoint(右/左横)の要素を変数として32種の動作モデルを設定した(Ex.右手で糊を持ち、右回しで反転させ、右側のコップの右端を軽く触れた後、右横に置く)。他者の動作モデルを自らの動作で再現する条件、言語に変換する条件、さらに、動作モデルについて言及した説明を聞き、それを言語で再現する条件、動作に変換する条件を設定した(4条件)。これによって、動作と言語の相互の変換の過程を体系的に捉えることを試みた。 【研究2】 ・前年度と全く同じ実験を行った。データ数を増やし年齢の影響を検討した。幼児29名に対し、玩具の電車を駅に見立てたボックスに入れる操作を模倣させた。提示された電車を右/左手で持ち、ボードの右/左端に置き、中央に向けて電車を走らせた後、右/左回しにして方向を変え、右/左側のボックス(駅)に到着させる動作をモデルとした。特徴のない2個の白色のボックスを使用する統制条件、一方に「×」他方に「○」のシグナルを付けておく目標条件、シグナルの位置を反転させる入替条件(Ex.右側の「×」の付いたボックスに電車が入る動作を提示するが、模倣させる際には「×」の付いたボックスを左側に置いておく)を設定した。視空間とシグナルのいずれを選択するか調べることを目的とした。
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