表象過程に注目した研究1・2では,6歳頃には過去に謝罪したかに関わらず,新規謝罪情報に基づいて加害児の行動や特性を判断することが明らかとなり,同様の傾向が児童を対象とした研究3でも確認された。符号化・表象過程に着目した研究4・5では,被害児の表情がネガティブな場合に比べてポジティブな場合,幼児の謝罪,補償行動の選択率が減少するが,6歳児になると,被害児の表情がポジティブであっても被害児の感情を推測するよう促すことで謝罪や補償行動の選択率が高まることが示された。反応決定過程に注目した研究6では,謝罪された被害児の感情や行動を予測するよう促す介入は,加害児の謝罪や告白を動機づけることが確認された。
|