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2010 年度 実績報告書

サクセスフル・エイジングの心理的側面への直接影響要因およびその緩衝要因の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21730540
研究機関独立行政法人国立長寿医療研究センター

研究代表者

丹下 智香子  独立行政法人国立長寿医療研究センター, 予防開発部, 研究員 (40422828)

キーワード生涯発達 / サクセスフル・エイジング
研究概要

本研究は、「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」の長期縦断調査データを用いて、サクセスフル・エイジングの心理的側面である「主観的幸福感」を高く保つための要件を検討するものである。
1.データ収集:NILS-LSAでは40~90歳代の地域住民(性・年代ごとに層化無作為抽出)を対象に約2年ごとに縦断的に調査を実施している。今年度もその第6次・第7次調査として自記式調査票および面接調査により、主観的幸福感、社会経済的地位、家族の有無、生活活動能力、対人関係、社会参加状況、認知機能、ライフイベントなどのデータの収集を行った。
2.成果:NILS-LSAの第6次調査までの縦断的データを用い、以下の研究を行った。まず成人中・後期を対象に、約2年間で体験したライフイベントおよび日常苛立ち事が主観的幸福感に与える影響について、性・年代別に検討した。その結果、(主観的幸福感の肯定的側面と否定的側面で必ずしも同じ結果が示されるとは限らないものの)概してこれらの体験から受ける影響は性・年代により異なり、若い年齢層で主観的幸福感を低下させる体験であっても、高齢層においては必ずしも主観的幸福感の低下につながらない可能性が示唆された。
また、成人後期を対象に、約6年間のインターバルで行った調査データを用いて、認知機能の維持/低下と主観的幸福感の関連について検討した。その結果、認知機能が低下した場合に、否定的側面においての主観的幸福感の低下が生じる可能性が示唆された。すなわち、主観的幸福感を高く保つためには、認知機能を維持することが重要であると推測された。
これらの知見は、高齢期における主観的幸福感に直接的に影響を与える要因を示すとともに、今後の研究において、多要因を総合的に解析に組み込んでいくことの重要性を示すと考える。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 成人中・後期における日常苛立ち事と主観的幸福感-LSI-K・CES-Dとの関連-2010

    • 著者名/発表者名
      丹下智香子・西田裕紀子・森山雅子・富田真紀子・安藤富士子・下方浩史
    • 雑誌名

      日本未病システム学会雑誌

      巻: 16 ページ: 345-348

  • [学会発表] 成人後期における認知機能と主観的幸福感-認知機能とLSI-K・CES-Dの関連の縦断的検討-2011

    • 著者名/発表者名
      丹下智香子・西田裕紀子・森山雅子(他2名)
    • 学会等名
      日本発達心理学会第22回大会
    • 発表場所
      東京学芸大学(東京都)
    • 年月日
      2011-03-25
  • [学会発表] 成人中・後期における日常苛立ち事と主観的幸福感-LSI-K・CES-Dとの関連-2010

    • 著者名/発表者名
      丹下智香子・西田裕紀子・森山雅子・富田真紀子・安藤富士子・下方浩史
    • 学会等名
      第17回日本未病システム学会学術総会
    • 発表場所
      沖縄県男女共同参画センター(沖縄県)
    • 年月日
      2010-11-14
  • [学会発表] 成人中・後期におけるライフイベントと主観的幸福感-LSI-K・CES-Dとの関連-2010

    • 著者名/発表者名
      丹下智香子・西田裕紀子・森山雅子(他5名)
    • 学会等名
      日本心理学会第74回大会
    • 発表場所
      大阪大学(大阪府)
    • 年月日
      2010-09-22
  • [学会発表] 成人中・後期におけるライフイベント体験率の年代差2010

    • 著者名/発表者名
      丹下智香子・西田裕紀子・森山雅子・富田真紀子・坪井さとみ・福川康之・安藤富士子・下方浩史
    • 学会等名
      日本老年社会科学会第52回大会
    • 発表場所
      あいち健康プラザ(愛知県)
    • 年月日
      2010-06-17
  • [備考]

    • URL

      http://www.ncgg.go.jp/department/ep/index-j.html

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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