本研究の目的は、「心と体の育成による成長支援プログラム」の実施により、どのような教育効果があったのか、というプログラム全体の評価と、ひとりひとりの学生がどのような発達的変化をしたのか、という個人を中心とした評価を行うことである。 本年度は、プログラム全体の評価として健康教育のシステムの有効性や、就職支援や留学生支援への相乗効果について成果の発表を行った。また、ひとりひとりの学生の発達的変化について、半期15週2単位の自由選択の教養科目を受講した学生や、参加した回数や種類の多い学生(学生グループメンバー)について、自己管理スキル尺度等の質問紙データと自由記述データを収集し、目標とする自己管理能力、コミュニケーション能力、他者援助精神の育成についての評価に取り組んだ。学生同士や多様な年代の人との交流の機会をつくり、交流を促進することで、学生の主体的な活動が促進されたと考えられた(足立ら、2011)。 また、平成21年度と22年度のデータを用いて、4種類の教育方法による効果の検証を行った結果、概念学習と体験学習を組み合わせた講義を一定期間受けることで目的に沿った高い教育効果が得られることが示唆された(足立ら、2011)。 来年度は、引き続き参加者の発達的変化を分析するために、参加者名簿のデータベース化を行い、各データをさらに詳細に分析する予定である。
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