本研究は、身体化としての乳がんの心理療法におけるイメージの有効性について検討を行うものである。バウムテストを用いたアセスメントにその人の不安や境界の不安定さがより明確に反映される結果となり、バウムテストを用いたアセスメントの重要性が示唆された。また箱庭療法は、箱庭に親和的かどうかは個人によって異なるが、それを媒介として自らの生き方の振り返りや自らの本質の気づき、他者との新しい関係性の構築などが生じる点で、乳がんの心理的援助において有効だと考えられた。乳がんの心理的援助においては、個々人のニーズを見立てた上で、イメージを用いた心理療法も含め、より多様な心理的援助を検討するとが重要である
|