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2010 年度 実績報告書

ネガティブ感情の適応度 ―制御資源の調整効果―

研究課題

研究課題/領域番号 21730555
研究機関都留文科大学

研究代表者

市原 学  都留文科大学, 文学部, 准教授 (10406788)

キーワードセルフコントロール / ネガティブ感情 / 制御資源
研究概要

1.感情プライミングの実験プログラムの妥当性を検討した。
先行研究ではプライミング手続きにより感情操作を行った後に,自記式質問紙で感情状態の報告を行わせており,本研究でも同様の方法により,感情状態を把握しようと試みたが,プライミングの効果はみられなかった。今後は感情状態についても,ストループ課題やAMP(感情誤帰属手続き)などを用いて,意識的判断によるバイアスを避ける必要がある。
2.質問紙調査によって,ネガティブ感情(抑うつ,不安)や制御資源が生活の質の善し悪しに与える影響を検討した。
本研究ではネガティブな感情が個人の適応状態をどのように予測するのかは,制御資源の残存量に依拠していると仮定している。つまり,不安や抑うつはそれ自体では生活の質の悪さにつながらず,制御資源が枯渇することで,生活の質が悪化すると考えられる。この調査では適応状態の指標として,WHOのQOLを用いて仮説の検証を目指した。
不安の指標にはSTAI(状態-特性不安尺度),抑うつの指標にはBDI,制御資源に指標にはアナグラム課題を用いて,QOLについて重回帰分析を行った。結果,状態不安,特性不安,抑うつはQOLと有意な負の関連性を示したが,制御資源はQOLとの間に関連性を示さなかった。つまり,仮説は支持されなかったことになる。
しかしながら,実験的手法を用いた研究では制御資源の適応的性質が確認されている。今回は質問紙調査によってデータを収集しており,このことが調査対象者の回答バイアスを招き,不安,抑うつ,QOLの相関を不当に高め,制御資源の影響力を抑制してしまった可能性があることを指摘しておく。今後は回答バイアスが混入しない手法によって研究を進めていく必要があるかもしれない。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 日本人におけるポジティブイリュージョン2010

    • 著者名/発表者名
      市原学
    • 学会等名
      日本心理学会
    • 発表場所
      大阪大学
    • 年月日
      2010-09-22

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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