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2011 年度 実績報告書

認知症高齢者の対人コミュニケーション行動に関する臨床心理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21730568
研究機関仁愛大学

研究代表者

水上 喜美子  仁愛大学, 人間学部, 講師 (00387408)

キーワード認知症 / 対人コミュニケーション / 介護スタッフ
研究概要

本年度は,治療効果をもたらすための対人コミュニケーションのあり方を開発するために,介護スタッフが認知症高齢者にどのように非言語行動を用いているか,介護スタッフの個人特性によって認知症高齢者への接し方に相違が認められるのかを検討するために生活場面での観察を実施した。
研究対象者は,同意の得られた施設Aの認知症高齢者2名と介護スタッフ8名(男性1名,女性7名),施設Bの認知症高齢者1名と介護スタッフ5名(男性2名,女性3名)であった。観察内容は,行動目録法を用いて,介護スタッフによる対象高齢者への関わりとそれに対する対象高齢者の反応を発話内容や発話回数などの言語行動および視線や体の向きなどの非言語行動から観察した。介護スタッフの個人特性については,自身の年齢,性別,経験年数,取得資格などの基本的属性,性格特性(Big Five形容詞短縮版2006;清水他,2008),セルフモニタリング改訂版(岩淵他,2003)などから構成された質問紙を実施した。施設Aは主任,施設Bは介護スタッフリーダーを代表者として質問紙と返信用封筒を預け,介護スタッフに配布するよう依頼した。各介護スタッフには回答した質問紙を返信用封筒に入れ,代表者に預けるよう求めた。
この結果,各介護スタッフの平均非言語行動率(介護スタッフが対象高齢者に声をかける際に視線または体を向けた確率)は全員が50.0%以上であった。この非言語行動は男性よりも女性スタッフに多く認められ(t(8)=3.21,p<.05),資格の有無や経験年数に違いはなかった。また,平均非言語行動率別(高群・低群)に介護スタッフの性格特性などを検討した結果,高群の方が自己呈示変容能力がやや高かった(t(8)=1.98,p<.10)。以上のことより,介護スタッフが認知症高齢者の呼びかけに対応する時や声をかける時に用いている非言語行動は男性スタッフよりも女性スタッフの方が多く用いているが,それは知識や経験により習得されるものではないことが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 高齢女性における老いの自覚に関する研究(2)-介護度・主観的健康度・日常生活機能からの検討-2011

    • 著者名/発表者名
      水上喜美子・岩淵千明
    • 学会等名
      第52回日本社会心理学会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      20110900
  • [学会発表] 重度認知症高齢者の要求行動の理解と手がかりに関する検討-介護スタッフへの調査と面接から-2011

    • 著者名/発表者名
      平木聡美・水上喜美子
    • 学会等名
      日本心理学会第75回大会
    • 発表場所
      日本大学
    • 年月日
      20110900

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公開日: 2013-06-26  

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